多次元パラメータ推定による高度データ処理手法の開発


レーダー観測においては実時間データ処理能力がレーダーの性能を制限してきた。従来の実時間処理は、 基本的にはパワースペクトルの平均化という古典的な手法に依存していた。しかし近年の時間周波数 信号処理技術の進歩により、時間、高度、ビーム方向などの多次元空間において直接スペクトル パラメータ推定を行い、推定精度を本質的に改善することが可能となった。これら技術を実時間 信号処理に適用し、必要な時間や高度の分解能に応じた最適化処理を行うことによって、観測可能 領域を限界にまで改善する。